FIM「理解・表出」の採点基準を徹底解説!複雑な内容と日常的ニーズの境界線は?

communication FIM判定基準

FIMの認知項目である「理解」と「表出」。

「なんとなく5点かな?」「言葉は出ているけど、内容は伝わっていないから3点?」と、現場でも判断が分かれやすい項目です。

この記事では、理学療法士の視点から、採点のキモとなる「複雑な内容」と「日常的なニーズ」の具体的な違いや、点数ごとの判定基準を分かりやすく解説します。


1. 「理解・表出」採点の基本ルール

この項目では、言語の流暢さ(スラスラ話せるか)ではなく、「意思の疎通がどの程度正確にできているか」を評価します。

  • 理解: 聴覚、または視覚(ジェスチャー・筆談)による情報を理解する能力。
  • 表出: 言語、または非言語(ジェスチャー・筆談)によって意思を伝える能力。

採点の最大のポイントは、「複雑な内容」ができるか、「日常的なニーズ(生理的欲求)」に限られるかという点です。


2. 「複雑な内容」vs「日常的なニーズ」の違い

FIMマニュアルにおいて、点数を分ける大きな境界線がここにあります。

日常的なニーズ(5点レベルの基準)

  • 喉が渇いた、お腹が空いた(生理的欲求)
  • トイレに行きたい
  • どこかが痛い
  • 眠い、休みたい

これらが介助なしで100%通じれば、最低でも5点となります。

複雑な内容(6点・7点レベルの基準)

  • 退院後の生活やリハビリの計画について
  • 病状や薬の説明
  • 金銭管理や家計の話
  • テレビのニュースや新聞、趣味の話題

これらを介助なしで理解・表現できれば、6点または7点となります。


3. 【項目別】採点基準の具体例

理解(コミュニケーションの受信)

点数判定の目安
7点完全自立。 複雑な内容もスムーズに理解。
6点修正自立。 複雑な内容も理解できるが、時間がかかる、または補聴器が必要。
5点監視・準備。 日常的な内容なら100%理解できる。
4点最小介助。 日常的な内容でも、10%〜25%程度は説明の繰り返しや強調が必要。
3点中等度介助。 日常的な内容の理解が50%〜74%程度。
2点最大介助。 日常的な内容の理解が25%〜49%程度。
1点全介助。 ほとんど理解できない(25%未満)。

表出(コミュニケーションの発信)

点数判定の目安
7点完全自立。 複雑な内容も、相手にストレスなく伝えられる。
6点修正自立。 伝えるのに時間はかかるが、複雑な内容も自力で可能。筆談・文字盤の使用など。
5点監視・準備。 日常的なニーズであれば、100%自力で伝えられる。
4点最小介助。 日常的なことでも、相手に推測してもらったり、聞き返されたりすることがある。
3点中等度介助。 伝えたいことの半分程度(50%〜74%)しか伝わらない。
2点最大介助。 単語やジェスチャーのみ。伝わるのは半分以下。
1点全介助。 意思がほとんど伝わらない(25%未満)。

4. 現場で迷いやすい「ここはどうなの?」

Q. 失語症があり、言い間違いが多い場合は?

日常的なニーズ(「お茶が飲みたい」など)を伝えようとして、言葉が詰まったり言い間違えたりしても、最終的に相手の介助(推測)なしで100%伝わっていれば5点です。相手が「〇〇のことですか?」と助け舟を出さないと伝わらない場合は4点以下になります。

Q. 外国人で日本語が話せない場合は?

言語の壁は機能障害ではありません。母国語で意思疎通ができているのであれば、その方の能力は「自立」として評価します。

Q. 認知症で、つじつまが合わない話をずっとしている場合は?

どれだけ流暢に話していても、内容が伴っていなければ「表出」の評価は低くなります。相手に意図が正確に伝わっている割合(%)で判断しましょう。


5. まとめ:迷った時はツールも活用!

「理解・表出」の採点は、ST(言語聴覚士)と情報を共有するのが一番確実ですが、夜間や土日の様子を知る看護師の視点も欠かせません。

「具体例を見ても、やっぱり4点か5点か迷う…」

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